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iceclimber_msc 2010-10-5 12:14
日程  :2010年9月16日(木)夜発?9月20日(月)  
山域  :八幡平南部 葛根田川/北の又沢
山行形態:沢登り
参加者 :清野(CL・食当・装備)、西村(SL・食当)、門脇、清水(記録・食当)
記録  :東北の名渓葛根田川、初秋のひと時の癒しを求め、また個人的にはしばらく渓から遠ざかっていてすっかり油の切れた私の足腰のリハビリを兼ねる心安らかな沢旅が主題だったのだが、結果的にはやや趣が異なってしまって、沢社会復帰を目指す私には愛のムチとなった東北行であった。

9/16(木)雨 
 3時にTX流山おおたかの森駅集合、一路磐越道、東北道を北上して、田沢湖に向かうR46号線上の道の駅“雫石あねっこ”に午後9:20着、畳敷きもある立派な施設。 充分な入渓前祝を執行。

9/17(金)曇り時々雨 
 夕べの道を少し戻って滝の上温泉駐車場に7時過ぎ到着。ここにも立派な休憩舎が。雫石町は予算が潤沢にあるらしい。仕度して舗装道路を進むと地熱発電所の設備が両側に蒸気をいたるところから噴出して並んでいる。石垣の隙間からも温泉の素が漏れている。
 舗装がきれて径が薮っぽくなったところでブッシュをかき分けて葛根田の左岸に降り立った。しばらく川原歩きが続く。やがて右手から明通沢が入り渡渉を繰り返して行くうち、渓相が次第に変わり深い淵が現れるようになった。しかしほとんどのところで両岸の岸壁が庇のように水流の中に伸びていて苦労せずにへつっていけるのが楽しい。水はあくまでも碧く、淵の底に潜む岩魚の影がゆらぐ。
 お函と呼ばれるゴルジュも上手に捌けばせいぜい腰ぐらいの入水で通過できた。お函を過ぎたところでは右岸から大石沢が流入していて、合流地点は広くはないがまことに快適そうな幕場になっている。よく使い込まれているようだ。ナメ床、小滝が交互に続き、沼ノ沢、中ノ又沢が右岸から入ってくるのを見送ると前方に小滝を従えて立派な大滝が現れた。葛根田大滝。固有名詞が付くだけあって迫力は充分、20mぐらいか。しばらくマイナスイオンを楽しみ、右手の踏跡をたどり小さく捲いて落ち口にあがる。
 その後もあまり変化のない渓相が続き、昼過ぎに滝ノ又沢との二俣に着いた。 ここから葛根田川は滝ノ又沢と北ノ又沢に分かれる。やっと沢に昇格?したわけだ。左岸に寝心地良さそうな広い台地があり、ここで今宵一夜の夢を結ぶことにする。水流面からの高さがいまいちだけれど、大雨の予報もないので大丈夫でしょう。周囲には伸びすぎた蕗の葉とか大きな花の散りかすをつけたシシウドのたぐいが生い茂っていて蕗などは西村さんが焚き火のうちわ代わりにしたほど大きく、まるで近頃封切りしたジブリ映画のセットのような趣きがある。
 ここで狩猟班の清野さんはしばらく上流に消えていたが、やがて卵をたっぷり抱えた上物の岩魚を土産に戻ってきた。一匹だけだけど。あとで聞くところによるとまた竿を自損事故してしまったらしい。ともかく、このおさかなは後、焚き火で焼き上げてきちんと骨まで皆でおいしくいただいた。
 通販大手の大浦本舗から私が取り寄せたジンギスカン鍋(プレート?)を実地使用しようと夕飯は焼肉パーテイーとしゃれてみた。旨かったが、使用にはやや習熟する要があるやも。煙がすごい。
初日の幕場



















9/18(土)曇り時々雨 
  夜中には星が見えたそうだが、朝は小さく青空が覗く程度。7時すぎに遡行開始。すぐに右又(北ノ又沢)に入る。この二俣のそれぞれの流入量はほぼ同量なので渡渉も大分楽になる。雪渓のスプーンカットのような凹凸があるナメが続き、その上の流れの中を岩魚が人影に驚いて矢のように下流に突っ走って消える。
 前方の沢の岩の上にタヌキ(ハクビシンか?)がきょとんとこちらを見下ろしている。
左手から枝沢が傾斜のゆるい、すだれ状の滝で流入しているところを通過。水玉が飛び散るさまを観賞しながら先に進む。ところが。あとで判ったのだが当初はこの枝沢に入り、八瀬森に抜ける手筈だったのだ。それとは知らず先を急ぐ私たち、やがて大滝に匹敵する滝が見えてくる。滝記号が地図にないんだがなぁと思いつつ、釜の前に。ここは門脇さんが左の泥壁を強引に攻めて小さく巻きあげるが後続する私めにとってはけっこう、しょっぱいものだった。
 その後もまた不可解な2段大滝25mが立ちはだかる。深い淵の左側壁をへつって清野さんが滝の左を直登して上からロープを流してくれる。さらに堰堤のような妙な滝が現れるに及んで、どうやら北ノ又沢本流を詰めていることが判明。途中で左手に逃げて尾根を越えるか、という提案もあったが結局本流を詰めあげるのもよし、ということでそのまま忠実に詰めあげる。
 さて源頭部、沢型が消えてやぶに突っ込むがこれがハンパでない。人差し指ほどの太さの根曲がり竹がよくもまぁ、と言うほどの密集隊形で前を阻む。それでも11時すぎにはとりあえず念願の山上湿原の一角大白森の草原に飛び出た。しかし地形は大きくうねっていて径に出るにはさらに北上しなければならない。面白いことに山上は花咲く草原と腹黒根曲がり竹林がパッチワークのようにまだら模様をなしている。
 北上する為にやむなくコバルトブルーのリンドウの楽園を背にまた腹黒根曲がり竹林の中へ。この辺は湿地帯があるくらいなので傾斜はゆるく、波のうねりのような地形が続くので3mもある根曲がりのやぶに埋まると方角が皆目判らなくなり、まったくコンパス頼りの彷徨となる。これを何回か繰り返し、何度か沢溝に落ち込みながら、その沢にはわずかに水流があったのでそこで昼飯を食い、2時近くにやっと径に出た。そこは1283mの標識の近くで思っていたよりかなり東にそれたようだ。
 いろいろ思案の上、予定を変更してこの径を北上して八幡平方面に向かう途中の大深山荘無人小屋に向かうことになる。CLはかなり明通沢下降に未練を残していたようだが。まあ、ここは我慢していただいて。その後の私はというと、やぶこぎの試練が終わってすっかり脱力、おまけに記録などの整理で皆から遅れて出発したため、自分のペースを乱してしまってきっちりとバテあがって山荘に。
 この小屋の水場への標識が小屋の手前にあり、水汲みに斜面を降りたのだが、これがとんでもない道で雨水でえぐられたつるつる粘土の急斜面の溝。おまけに笹薮に隠れて足元見渡し不可。ところが水場に着くと草原の斜面から湧き水が滔々と流れだし、そしてしっかりした木道が山荘へ直接導いていたのだ。要は山荘からくればころげ落ちるような心配も不要だったわけ。
 当の山荘はまだ新しく、立派なログハウスで我々の沢靴のあとの床に付くのが気が引けるほど。とても快適な一夜を過ごすことができた。
北の又沢
稜線の草原



















9/19(日)ずっと雨 
 朝から本格的な雨。同宿していた2,3パーテイのハイカーが出払ったあとゆっくりと出立とする。今日は途中の分岐から小畚山、三石山経由で出発点の地熱発電所に戻るほとんど下りだけの登山道なのだ。稜線にあがると西風が強まったが雨はそれほどでも無く、気温もそこそこなので苦にならない。
 周りは霧のため何も見えないのでひたすら下ることに専心、途中三石避難小屋で軽くお茶などをして、昼には駐車場に舞い戻った。予備日が残ったこの日は、待っていました温泉宿へ。近くの鶯宿(おうじゅく)温泉のひなびた旅館に投宿して、思い切り温泉とビールを交互に浴びることで山行のフィナーレを祝った。
行動軌跡






















9/16  3:00pm TX流山おおたかの森発?9:20pm 道の駅“雫石あねっこ” 

9/17  7:00am雫石あねっこ”?8:45am入渓?9:25am明通沢?10:35am大石沢?11:25am中ノ沢?11:50am葛根田大滝上?12:45pm滝の又沢(泊)

9/18   7:15am幕場?9:10am無名大滝(ロープ使用)?9:30am大滝上-9:40am堰堤上滝上?10:20amナメの連続?11:25am最初の湿原?やぶ漕ぎの連続?12:00pm薮の中の沢型で昼食?やぶ漕ぎの連続?1:10pm中央湿原、やぶ漕ぎ?1:55pm1283m標識(登山道)?4:30pm大深山荘(泊)

9/19   7:30am山荘 ?8:35分岐 ?9:55am三石小屋 ?12:00pm駐車場

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