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hirokoji8806 2009-8-7 0:00
日程:2009年8月7日(金)?8日(土)
山域:谷川山域/魚野川支流荒沢本谷
山行形態:訓練山行 沢登り
メンバー及び役割:須藤(CL)、山本(SL)、羽生田(装備)、戸田、白川(記録)

記録:
 7日21:00荻窪駅北口集合。商店街、住宅地の狭い道路を右折、左折してあっという間に谷原。須藤さんは裏道に精通している。そして関越高速道路を経て23:30にはJR中里駅に到着していた。1年前には名前も知らなかったのに、すっかりなじみの駅になっている。入山祝い、明日の沢について語り合う。
 8日は5:50起床。朝食、身支度をして荒沢山ふもとのロッジ前の駐車スペースに車をデポする。7:00出発、魚野川沿いの林道を進んだ。途中川で釣りをしている人がいた。荒沢出合に7:30に到着して、橋の袂から右岸に降りる。狭くて水量も少ない。この奥に遡行図に描かれているような広がりのある沢が続いているとは想像も出来ないほど貧弱な入渓点で、本当にここでいいのか半信半疑であった。
 最初の『ナメ滝3m』は左側を上がった。岩はヌメヌメしていてずるずる滑る。釜のへつりも水中の岩の方が滑りにくかった。その後は釜、小滝、ナメの連続。ヌメリでテカテカ光る岩もあってぞっとする。黒くて小さい堰堤を越して、次はチョックストーンの滝。落ち口の右横に表面がヌルヌルした流木が立てかかっていた。須藤さんはこの木を上がり、後の4人はそれより少しは滑りにくそうな流れの左側を登った。 
 
                        倒木を登る須藤さん

 8:10大きなチョックストーンの滝に出た。須藤さんが大岩右手の直登を試みるが、茶色の岩がとにかく滑り、ランニングビレイを取れるような場所もないとのこと。数メートル戻って、右の岩壁を巻くことになった。羽生田さんがハーケンを打ってビレイ、須藤さんがリードで行く。途中一箇所で、ハーケンを打ってランニングビレイを取り、8:30に突破。私たちはタイブロックで通過した。ここの岩は日が当たっていたせいか、思ったほどには滑らなかった。ハーケンを回収しながら羽生田さんが上がってきたのが9:00。滝1つ越すにも結構時間がかかる。
 
                        リードで登る須藤さん
 
                        2番手戸田さん

 目の前には、またチョックストーンの滝、大岩4mである。落ち口の大岩がハングっている。須藤さんはそのすぐ右を登った。背が高いと1歩が大きく有利だ。後の4人は左から上がった。登り方は五人五様だ。上がって休憩10分。また次のチョックストーンに取りかかる。釜が意外と深い。よく見ると釜の出口を流木がふさいでいた。そのことに気がついた山本さん、羽生田さんが枝々を掻き出すと水が引き、隠れていた石が姿を見せた。上がった所が二俣、左を行くとさらに二俣、その右が『前の大滝25m』だ。9:40に到着。

 ここでは戸田さんがビレイ、釜の左をへつって須藤さんがリードでいく。


 一段目の滝の落ち口に小さな釜、その右壁にランニングビレイを取って、さらに2段目の滝を上がった所、50mロープいっぱいの所で須藤さんが支点を取ったが、様子をみていた山本さんがロープが屈曲しすぎているから・・・とフリーで登り、釜の所に立ってロープが流れるように中継してくれた。始めにタイブロックで上がった私が、2段目の滝に取り掛かると、山本さんがピッチを切り、二番手の羽生田さんに合図をして、ダブルで移動できるようにしてくださった。山本さんいわく、「須藤さんが4人いればするする行っちゃうんだけど・・・、時間短縮ね。」うーん、ごめんなさい。世話かけます。

 
                         一段目の滝を登る羽生田さん

 この2つの滝はどちらも左側を登ったが、特に2段目はヌルヌル!しかも岩は逆層でめちゃくちゃ滑るので、左の土壁との縁ぎりぎりの場所を上がった。全員の登攀終了は10:55。
 
                   2段目の滝。左上に小さく見えるのが須藤さん
  
 釜、小滝、ナメ、滑る岩。次々現れ、遊びがない。11:25、滝を上がると目の前に『2段の滝65m』。その上には空が広がっていて、遡行の終了点が近いことを期待したが、まだ全体の半分程度という。ここにも倒木の山。流木が徐々にたまったというよりも、大水で上からドカンドカンと落っこちてきて積まれたという感じである。
 
                   2段の滝65m。空が広がっていた。

 滝の右も左も手に負えない。しかもその上にまた次があるという。休憩15分の後、左側を高巻くことになった。急斜面で、土壁はずるずる崩れそう。一度沢に下りようとしたが、偵察に行った山本さんが、ここはまだ滝の途中だという。再度高巻く。たっぷり高巻いてもう大丈夫だろうと降り立った沢は結構狭い。しかも少し下に二俣が見え、右の土壁には踏み跡もある。その踏み跡をたどってさらに高巻き、右俣の様子を見ると、細く、さっきの左俣の方が開けているという。棚で作戦会議。眼下に私たちが入渓前に見た釣り人の姿が見える。まだこの程度しか上がっていないのかとガックリ。しかし山がこれほど迫り出ているからこそ滝の連続だったのだと気づかされる。 
 右か左か?コルへ突き上げる本谷の手前に遡行図にない枝沢があって、それがこの左俣なのではないか?という意見もあった。羽生田さんの秘密兵器(GPS)にご登場を願って調べてみると、正解は右俣であろうとのこと。12:30再度高巻き開始、12:40に右俣に降り立った。高巻き開始からちょうど1時間。急斜面で土も脆く、崩れやすい。しかも木の枝を跨ぎ、枝を潜るの連続で疲れた!休憩中には虫に喰われ、耳、顔が痒い。
 やれやれと沢の上部を見ると滝がある。また、山本さんが偵察に行って下さった。これは右俣であり、私たちは高巻いている間に、『奥の大滝』も越えてしまったらしいとのこと。戻るか、それともこのまま進むか?皆判断しかね、CL須藤さんに決定をお願いして、遡行図にない枝沢をそのまま進むことになった。850m地点。標高1100mのコルまで、あと250mの高低差である。
 しばらく進んだ後、13:00に沢を後にしてコルを目指す。これも先ほどの高巻きと同じようにしんどい。途中で戸田さんが蜂(これは後にアブであっただろうとされた)に襲われる。あっという間に3箇所も刺されたという。瞬く間に腫れてしまい、小休止して治療する。
 14:45荒沢尾根にたどり着いた。休憩後尾根を反れないように気をつけながら下降開始。ところが、目の前に見えていた関越自動車道がどんどん遠くなる。気をつけていたはずなのに、いつしか右側の支尾根に入り込んでいた。また作戦会議の結果、50mの高度を登り返して、予定のコースに戻ることになった。15:55に開始し、1000mの分岐地点に16:20到着。ヘロヘロである。
 再度尾根に沿って、気をつけながら下っていったものの、今度は左に寄り過ぎ、このままでは谷に下りてしまうという。尾根と空の境界線が視界の左上に見える高さを維持しつつ、急斜面の木の枝や根っこ、草を絶えずつかみながらのトラバースが延々と続き疲労度は増していく。最後はなだらかな茂み中を歩いて、18:06何とか明るいうちに林道にたどり着くことが出来た。林道を少し戻ったところに小さな沢があった。これは北カドナミ沢か?車に戻ると服もザックも泥だらけでとにかく臭い。あちこち虫に刺されていて、とにかく痒い。
 後はお定まりのコース。岩の湯でさっぱりとしてから、越後湯沢の中野屋でへきそばを堪能して帰路についた。JR荻窪駅22:20解散。帰りの運転は須藤さんと山本さん。皆さん本当にお世話になりました。見かけによらず厳しい沢の醍醐味を味わい、終わってみると面白かった。

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