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山行記録 カレンダー
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msc_kiroku2 2006-5-13 10:31
メンバー:森CL 野口SL 平川 須藤(記録) 行程;6:00 橋本駅集合?(車)?7:40 早戸川林道車止め/本間橋着、遡行準備?(アプローチ)?8;40 雷平着(入渓点)?13:00 原小屋平、下山? 14:00 黍殻避難小屋?16:00 本間橋着  目に前にした雷滝。それは圧巻だった。高さ40m、幅30m程だろうか?雨が降っているためか水量も豊かで威風堂々としている。右、左両側を滝が落ちている。「(表)丹沢にこんな滝があったんだ」皆そう思って見入っていた(たぶん)。
写真1 雷平手前の渡渉  雷平より入渓して約30分程右岸を遡行、左にカーブしているところにそれはあった。滝の右岸手前では、木々や大きな岩があって音しか聞こえない。そのまま右岸を巻いて上がってしまえば、この絶景は拝めなかった。渡渉して左岸を渡ったところで、その全容がいきなり目に飛び込んできたのである。 滝下近くに寄ってよく見てみると、左右の水流の真中を攀れないこともなさそうだが、ずぶ濡れになることは必死で、これだけの高さがあるので途中で往生してしまったら、にっちもさっちも行かなくなる。景色だけ拝ませて頂くだけで充分満足として、右岸を巻いて上がって行った。
写真2 大岩の滝は左岸を巻く  その後も、美滝、麗滝の連続だった。10mバケモノ滝、3段20mの滝、30mガータ小屋の滝、鎖のある滝、そして随所にある(はずだったナメ)と小滝の連続。どれも目を見瞠る名滝。落ち口がしっかりとしていて、そこから流れる水の傾斜、水量共にまさに滝らしいそれであり、岩の色と周囲の新緑のコントラストがその風貌を印象づける。
写真3 雷滝、その迫力に圧倒される
写真4 雷滝にて  この沢の渓相の比類ない特徴は何といっても上記のような名瀑であるが、その他にも、広く明るく開放感があり、また所々に緑がかった綺麗な「なめ滑」や一枚岩「スラブ」があったりする。鶏冠谷、釜の沢の丹沢ミニ版の感がある。遡行途上のところどころに幕営するに充分な広さの平地があり、沢中での幕営も充分に楽しめそうだ。  残念なのは、ガイド本にはナメと小滝の「連続」があるようになっているが、その殆どがガレで埋まってしまっていることである。GW前半に遡行した四町四反の滝もそうであったが、期待していたものに出会えず、ゴーロと化したところをやっかいに歩くのは寂しい。丹沢はもうどこでもこんな感じで、名渓と言えるところは無くなってしまったのだろうか? もう少し早く沢登りの世界に入っていればと悔やまれる。
写真5 下部二俣の右俣カサギ沢は二条の滝
写真6 三段20mの滝は左岸高巻きでロープを出す
写真7 雨の中、三段20m滝を望む須藤さん
写真8 ガータゴヤの滝は右岸を大きく高巻く  遡行記録というより、渓相記をここまで書いてしまったが、遡行は順調だった。というより、大岩の滝をはじめ、名だたる滝は殆ど直登できず、巻いて行ったためザイルを出したのは、高場の巻きでトラバースする地点で25m程張ったのみであった。又、源頭から原小屋平のある稜線まで急な傾斜がなく、息を切らさずスンナリとつき あげることでき、ちょっと拍子抜けしてしまう感じである。思ったより入渓点に近い場所まで、車で行けたこともあるが、計画では原小屋平着が14時45分だったのが、13時に辿り着いたのであるから、あまりにも出来過ぎか。  ただ、ガイド本では殆どの滝を巻くようなルート図となっているが、実際にはじっくりと取り付いてみれば直登できそうでもあり、事実ところどころ残置ハーケン、シュリンゲのあるところもあった。この日の雨空、気温の低さからは、私のような初級者には無理があるが、真夏の「カッ」と晴れた日に涼を求めながら一度取り付いてみたいと思う。
写真9 上流部の様子、傾斜もなだらか
写真10 原小屋平到着!
写真11 もう一枚
写真12 黍殻非難小屋の巨大なストーブ  原小屋沢に着いてからは、北へ姫次から黍殻避難小屋へ向かう。小屋まではアップダウンがあるのだが、下りで私の左膝が痛みだした。入渓して間もない大岩の滝で、足を滑らせて、岩から1m程転落、その時に膝を打っていた。遡行途上では大した痛みを感じなかったのだが、下りになった途端に痛みが極度にひどくなった。  こんなに膝の痛い経験は初めてだった。一番先頭を歩かせてもらい何とか黍殻小屋へ到着。痛さのため長めの休憩を取ってもらうことにした。あまりにバカでかい薪ストーブに火を入れる。なかなか着火せず、着いても長く燃えつづけることはなかったが、それでも、行動食を食べながら、体を温めることが出来た。この小屋はいい小屋だった。建物の躯体がしっかりしているのは言うまでもなく、中がきちんと整理されていて、とても小ぎれいである。ストーブはあきれるほどでかいが、ご愛嬌であろう。機会がれば、是非宿泊してみたい。小屋の周囲も景観が良く、家族で着てもよさそうだ。  小屋の中で下山について、「一気に下山しよう!」と皆さん仰る。「えっ、オレの膝がこんなに痛いのに本気か? 歩く様を見れば分かるだろうにっ!」と思うのだが、後輩、若輩の私がそのようなことを口に出せない。「そっ、そうですね」などど適当に相槌をうつ。とてもユウウツな気分である。そうは思いながらも先頭を行かせてもらい、左足を引き摺るように下っていく。自分のせいで下山が遅れるのは不本意なので痛みを我慢して必死に足を運ぶ。痛い、とてつもなく痛い、時おり「う?」とか「うわ?」とか、思わず叫び声をあげるのだが、雨のためフードをして聞こえないのか、それとも無視されているのか、誰からも全く気遣いの声を頂けない。甘えるわけではないが、「声ぐらいかけてくれてもいいだろうにっ!」なんて思うこともあり、半ばふて腐れたくなるが、なまじの「大人」である故、そうする訳にもいかず、ひたすら耐えながらなんとか大平まで下りきる。  大平で、平川さんから「須藤さん、大丈夫だった?」と声をかけられた時には、「何だ、気にかけてくれていたんだ」と何だかホっとした気持ちになり、「笑っちゃう程痛かったですよ」と、つい本音をもらしてしまった。  下山後は、着替えもせず一路橋本の立ち寄り湯へ向かう。立ち寄り湯の玄関で沢靴と靴下を脱いだ時には心底驚いた。何とビア樽のように肥えたヒルが3、4匹ぼろぼろと足のすねから、転げ落ちる。「何だこりゃっ!」、転げ落ちたすね跡からは血の筋がしたたり落ちる。周囲の客が集まり、気味悪そうに見入る。すかさず、平川さんが気転を利かせ、床でうごめく不気味なビア樽を靴下で掴んで、外へ放り投げる。平川さんの迅速な行動がなけらば、客が不気味に思い店員に告げ口され、私だけ風呂に入れなかったかもしれない。不気味な軟体動物に吸血され、その跡から血がしたたり落ちる様をみれば、「風呂に入れるな!」と言う人がいても、ちっともおかしくない。 そうなれば、風呂にも入れず、酒も飲めず(この日の私は運転手)、踏んだり蹴ったりである。平川さんには本当に感謝であります。ともあれ、皆風呂に入り、体を温め、一杯飲み、食べて良い反省会が出来た。  今回のCLの森さんには事前に下調べにまで行って頂いていて、頭が下がります。森さんCLの山行を今年既に2回同行させて頂きましたが、毎回緻密な計画で見習うところ大であります。

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