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山行記録 カレンダー
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msc_kiroku2 2006-11-17 12:33
メンバー 清野CL 山本SL 門脇 高森(記録) 西舘(章・彰)  清野プランで那須塩原の湯川御沢へ行ってきました。沢を登って温泉を楽しんで帰ってこようというもの。温泉あり、雪あり焚き火ありの盛りだくさんな山行でした。 11/17前夜泊 11/18・19 那須山塊/苦土川・湯川・御沢 CL:清野 SL・食当:山本 門脇 西舘彰芳 西舘章子 記録:高森 清野さんから温泉の沢に誰か一緒に行きませんか?とメールが来たときから本当にワクワクしてしまいすごい楽しみにしていた山行でした。 11/17久喜駅23:00集合 清野さんの車で出発。1時過ぎ深山ダムサイトに到着。すごい風が強く寒くてテントをはるのが困難だった。もう遅いので寝るのだろうと思ったがお酒を飲み始める。門脇さんは今回の温泉掘りのために自作のつるはしを持参していた。肩まで入れるのか入れないのかなど明日の温泉に思いをつのらせ3:00過ぎ就寝。 11/18 6:30起床 寝たのが遅かったことあり、すごい眠かったが8:30出発。今回の持ち物の中に熊よけの鈴があったが、出合まで出るまでに熊のフンなどがあり本当に熊がいたらどうしようと少し不安だった。 さすがに少しというか結構寒く、濡れたくない一心で気を付けて歩く。皆はもう今日が沢納めだなぁと言っていたので少し寂しい気もしました。少し行くと雪が出てきた。気温はすごい寒いのに、なんとなく水の中は暖かいと感じる。どんどん歩いて行くと湯の花みたいなチラチラしたものが川に浮いているのが目立つようになった。 そして、遠く先のほうから湯気がもうもうと立ち上がってるのが見えた。近づいて行くと段々水からお湯になってきているのが分かるくらい暖かかった。そして湯気が立ち上がる二股の2つの滝を見た瞬間、はしゃいだところ山本さんより「はしゃぎすぎ」と怒られてしまった。 でも、はしゃぎすぎたせいであれだけ濡れないように気を付けていたのに結構濡れてしまった。 しばらくそこで休憩していたが寒くなってきたので右側に進み一気にそこから温泉を目指す。 途中で二人くらい入れる湯船?があり蓋を明けてみると温泉が入っていたので、清野さんがうまく掘れなかった場合はここに入ろうと言っていた。 どんどん上まで進んで行ったがココを掘ってみよう!という適所は表れずなんとか掘れそうな場所を探す。 ココと決めた場所でどんどん掘ってみるが何度スコップで掘っても砂と砂利が溜まってきてしまうし腰も痛くなってきた。でも木をどけたり、堤防を作ったり必死に掘っていたりして気がつくとあれだけ気を付けていたのに再度ビショビショになっていた。門脇さんのつるはしも登場し、交代で更に掘っていくと段々温泉らしくなってきた。交代で掘っていたと言ってもほとんど清野さんと山本さんが作ってくれたと言ってもいいくらい二人が頑張ってくれたおかげで、立派な温泉が完成!更に風よけのためタープを張った。 早速着替えて温泉に入った。 思った以上に寒くて人肌くらい。 出るに出れないし、清野さんはすぐに出てしまうし、門脇さんはすぐには入ってこないし、やっぱり温泉を掘って気持ちよく入るというのは難しいんだなと実感しました。 それでも記念写真だけは気持ちよさそうに見えるようにと笑顔を要求された。 すぐそこが登山道だったので、そこから下りた。 温泉を出た後は非常に寒かったです。 夜は焚き火も盛大でご飯も美味しく早めに就寝。 清野さんがまた春以降に来ようと言っていたのでその際は是非参加したいです。
なんと雪です。先が思いやられましたが……。
もうもうとあがる湯煙。表情も一変します。
先ほどまで凍り付きそうだったつま先。お湯の川ではラクチンラクチン。
湯船を作って……。
入ります。
入ります!
下山路は三斗小屋経由。
ボウボウの焚き火もたっぷり満喫してきました。

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msc_kiroku2 2006-10-20 16:19
場所: 那須☆☆山麓阿武隈川支流☆☆沢  (注:自然環境保全のため一部☆にしています。) メンバー:須藤(CL、装備)、清野(SL)、清水、扇原、高森(食当)、木村(記録) 10月20日(金)  22時JR久喜駅に集合し、須藤さんの車で白河へ向かう。24時過ぎに☆☆村に到着。テントを張り、とりあえず一杯飲む。それぞれ持参のガイドブックで予習をしつつ就寝。 10月21日(土)  6時起床。車を☆☆温泉「☆☆屋」の駐車場に置き準備をする。風がとても冷たい。7時遡行開始。この時期になると水温が低いので、なるべく濡れたくないなと思いながら徒渉する。「キノコを探しながら歩くんだよ!」とうい声にハッとなる。そう、今回の目的は“キノコ”なのだ。昨晩の話では、清野さんは1種類、須藤さんは3種類食べられるキノコを知っているということだった・・・。頼りの門脇さんがいないので少々不安である。 7時30分頃10m程の滝に到着、右側を登る。このあとは大きな滝はないそうで、キノコ探しに本腰を入れる。しばらく歩くと倒木にいかにも食べられそうなキノコがたくさん生えている。ナラタケ似?のこのキノコ、ガイドブックを見てもこれだという確証が持てない。とりあえず不明キノコとしていくつか採集していく。(後で分かったことだが、これはドククリタケという毒キノコであった。危険です!)沢沿いではなく、ちょっと樹林帯に入ったところにある倒木にきのこが生えているようだ。真っ白なブナハリダケとムキダケが良く生えている。ムキダケは毒性のあるツキヨタケと似ているので柄の部分をカットして青黒くなるかどうかで判断する。須藤さんが一個づつ丹念に調べてくれたおかげでちゃんとムキダケのみを選べたようだ。 9時30頃、清水さんが樹林帯からみんなを呼んでいる。なんとそこにはナメコの大群が!市販されているものよりもかなり大粒のナメコ達が倒木からたくさん生えている。いかにも“木の子”という感じ。あまりの嬉しさに記念撮影を撮ってからナメコを採集する。ものすごくキノコに集中しているせいか時間感覚がおかしくなる。まだ朝の9時過ぎだというのに午後3時くらいの気分だ。その後も徒渉とキノコ採りを繰り返しながら沢を登っていく。 11時過ぎ、ブナハリタケが大量発生している場所(昨年と同じ場所らしい)に着く。いやになる程採集して、各自ずっしりと重くなったキノコ袋を担いで最後のつめを上る。小さな滝の連続だが結構水に濡れ体が冷える。つめ上がった所で水を汲む。 13時頃よりヤブコギ開始。高森さんと木村は初体験である。背丈以上もある竹薮の中を進んでいく。全く方向が分からないし、細い枝が顔や手足を鞭打つのでかなり大変である。前の人と離れないように必死に着いていく。枝に引っ掛るのかシュリンゲやハンマーが気づかぬうちに落ちている。1時間30分ほどかけてようやく尾根に出る。尾根ルートをしばらく進み☆☆小屋に15時頃到着した。 今晩のメニューはワンタンキノコスープ、キノコと野菜の天ぷら、キノコソテー、海藻サラダ。採りたてのキノコを山で食べるのは最高だ。 10月22日(日)  7時起床、朝食は昨晩の残りごはんで雑炊をつくる。9時頃下山開始。2時間ほどで☆☆温泉に到着する。温泉に入ったあと、清野さんお薦めの小料理屋で反省会をして帰路につく。

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msc_kiroku2 2006-6-9 10:51
メンバー:CL須藤、清野、山本、門脇、両角、扇原(記録) 6月9日 JR久喜駅西口ロータリーに22時集合。須藤車にて東北自動車道・白河ICへ。 一路、甲子温泉を目ざす。途中の西郷町キョロロン村で仮眠(10日1時)。 6月10日、曇り。 風が強いが、雨は降っていない。6時起床、朝食の後出発(6時40分)。  甲子温泉に7時着。身支度して沢に入る。すぐの3段の堰堤は水量が多く、すざましい水しぶきと音をたてて落ちている。その後、ハシゴ付の2,3の堰堤を越え、広い河原歩きとなり、やがて南沢出合に(8時30分)。小休止。間もなく本谷と別れ一里滝沢に入る。相変わらず、水量が多いが、大岩と苔、木々の緑、ミソサザイの声がきれいだ。  門脇さんが何か見つけたよう。ウルイ(ギボシ)だ。フキ、アイコ(イラクサ、小さなトゲがあり、採る時はチクチクする)、シドケ(モミジガサ)、ミズ、ウド。ウドは雪解け間もなくの日当たりの良い所に出るよう。ズルズルの斜面を足を滑らせ、全員奮闘して収穫する。たくさん採れた。11時過ぎ山菜採り終了。間もなく、川床より少し上がった、平らな所があり、今夜の寝ぐらの相談となる。も..。須藤さんの判断で小屋を目指すことに。  しばらくして下から見ると、3?4段の階段状で80m位の滝となる。この上に下からは見えなかった別の7?8m位の滝もあり。谷の両側から残雪が張り出し、穴がポッカリあいて、いまにもくずれ落ちそうだ。<上部は雪がなくても岩が脆くて難しい?清野さんより>これを巻くことになる。ここで門脇用特製アイゼンが発揮する。グズグズの斜面に小石の落石がたびたび、木や石のホールドも少なく、心もとない。ハンマーをつきさし、引っかけ悪戦苦闘。時間にして1時間30分かかっていた。<巻きは滝の3倍見たらよい?門脇さんより> 80m×3=240mの巻きとなる。これにすぐ上の滝も巻いたのだから約270?300m巻いたことになる。いい経験になった。これより上部は雪渓も厚く、安定し順調に進む。沢すじがなくなり、ヤブに入る。まもなく稜線に出る。14時過ぎ。小休止の後、坊主沼避難小屋へ15時。  沼の縁には雪渓が残り青白の水の色がとてもきれいだ。水面に周囲の景色が写り、すばらしい。夕食はもちろん山菜料理。シドケのおひたし、アイコの油いため、ウド、ゼンマイ、フキノトウのてんぷら、ウドのからし酢味噌、ウドとチクワの油いため、ウドの味噌汁、ソーメン、酒もたっぷり。山本さんの手料理、最高でした。タキ火をしながら日の暮れる頃、寝袋の中へ、19時。  11日曇り。  坊主沼の朝はすばらしい。さわやかな冷たいそよ風とウグイスの声で目をさます。5時起床。朝食は山菜の味噌汁、ニンジン、肉入り。ミズの油イタメ。ウィンナー、ベーコン、ごはん+少々の酒。8時坊主沼出発。甲子山頂(1,549m)に9時。登山道の所々に雪が残る。登山者(38名)の一行団体に出会う。霧が深くなり、ポツリポツリ。ブナ、ナラ、カエデ、ヤマツツジなど、墨絵のよう。道そばのダケカンバの枯れ木にきのこがびっしり。少し白く肉は薄いが、大きいものは10cm位ある。ウスヒラタケと判明(後日、門脇さんより)。味噌汁が最高でした。雨が降り出すころ、杉林に入り、やがて甲子温泉へ。10時20分。大黒屋にて入浴。  塩原市内「萬歳楽」にて打ち上げ。東北自動車道で久喜駅へ。解散16時。メンバーの皆さん、ありがとうございました。須藤さん、お疲れ様でした。 扇原

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msc_kiroku2 2006-2-12 12:07
メンバー:森(CL、食当、記録)、中山(SL)、平川 たまには気楽なハイキングでもどうかということで、奥多摩の定番コースの御岳山? 日ノ出山?つるつる温泉に行ってきました。 新宿からホリデー快速に中山さんと二人で乗車、立川駅から平川さんと合流して御嶽 駅へ。天気もよく途中車窓から山々くっきりと見えます。天気の割には人が少なく、 御嶽駅からケーブル下までのバスも座れました。計画通りにケーブルカーに乗車、 あっという間に御岳山に到着です。
久しぶりのケーブルカーに遠足気分です。
乗ったのは黄色い日ノ出号です。 山頂集落の道にはまったく雪が残っておらず、近所の公園の散歩気分です。せっかく なので御岳神社に立ち寄ることに、石段が意外ときつく一汗かきます。
御岳神社にてお約束のショット、通りすがりの素敵な女性にシャッターをお願いしました。 小休止のあと、日ノ出山に向かいます。コンクリートの道がすぐに土の道になり、ハ イキングらしくなります。 平坦路から登りになってしばらくして山頂に到着。
山頂に到着です。
東屋の脇に佇む中山さん。 山頂からは眺めも良く、さすが日ノ出山と改めて思いました。平川さんのビールと中 山さんのワインとチーズで乾杯、東屋を独占しながら食事の支度を始めましたが、風 があって結構寒かったので少し下った所のベンチに移動、MSRも火がついたまま運 びました。昼食はつみれ味噌うどんです。
うどんで温まる平川さん。
同じく中山さん。 昼食後は、予定通りつるつる温泉方面に降ります。途中、温泉方面の看板がすごく目 立ちます。山道を降りきり、アスファルトの林道を進んでバス通りを左折し、温泉に 到着です。ゆっくりと温泉に浸かります。露天風呂は子供用の小さなプールみたいで す。風呂上りは、休憩室でビールと缶チューハイで再び乾杯しました。
武蔵五日市へは不思議なバスで、名前は青春号! 五日市の駅では丁度タイミングよく新宿行きの直通に乗車できました。歩いた時間は 2時間も無かったのですが、充実した一日でした。

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msc_kiroku2 2005-10-8 23:46
メンバー:西舘、門脇、両角、清野、森正彦(食当)、須藤功(記録、車)  10月8日(土)21時浦和駅東口に全員定刻通り集合、須藤のワゴン車に乗り、東北自動車道浦和ICへと向かう。途中、中山さんに因みクイーンズ伊勢丹にて買い物。なかなか車へ戻らない方がおり皆をイライラさせたが、なんとシャンパンを抱え込んでくる洒落者であり驚く。浦和ICに入るのにもたつき、道の駅「那須高原友愛の森」へ11時30分到着。トイレ横の休憩室(夜間のため閉室)の屋根の下で一杯飲んで、就寝。寝入る前に、トイレへ来る人たちがなにやら小声で話しながら通りすぎる。"こんな処で寝てるよ"と、どうやら電車の駅ならぬ、"道の駅"の新種のホームレスと思われたのだろうか?まあ、いいや、と思い寝入る。  翌朝6時前起床、一路甲子山温泉大黒屋へ向かう。7時半過ぎ大黒屋駐車場へ到着、入渓の準備を行い、8時5分出立。Tシャツの上に長袖1枚を着るが、遡行前は寒く感じる曇り空だ。アスファルト道路を100m程歩き、沢へ降り遡行する。新入りの私でもロープを必要としない滝、滑をいくつか乗り越えていく。そうこうする内に門脇さんが、「ぶなはり茸」をすこしづつ見つけては採りだす。それを見るに従い、皆の目がだんだん"きのこ目"へと変わっていく。黙々と皆が下を見ながら遡行していると、清野さんが"本沢に来ているぞ!"と声を上げる。そうだ、皆きのこで頭がいっぱいで、一里滝沢への出合いを通り過ぎてしまった。数十分程降りて9時5分に出合へ戻り、一里滝沢を遡上する。間もなく、4、5mのスダレ滝にあたり、森さんと私は、西舘さんのビレイで無事攀りきる。本山行中、ロープを出したのはここだけだった。  それ以降は専らきのこ採りである。いろいろなきのこを採っては捨てを繰り返し、私の持ってきた小さなきのこ図鑑もとり出し、雁首を揃えて皆で見入り、頭と"感"をフル回転させ、ああでもないこうでもないと言いながら、毒キノコ、毒無しキノコをふるいにかけていく。ツキヨ茸でも採って食べたりしたら、言わずもがな一発必殺だから、皆一様に真剣そのものである。しかし、それだけ真剣になるのなら、図鑑ぐらいはもっと多くの人が持って来てよさそうなものである。いわんや、きのこの種の特定に不可欠な樹木の分類ができるのかも怪しい。まともにキノコ採りの資格を持つのは門脇さんぐらいではあるまいか?とまあ、批判めいたことを書いてしまったが、そうではない。ともかく皆、大の大人が童心に帰り、目の色を変えているのである。かぶと虫やクワガタ取りに"夢中"であったあの頃ように。そうこうするうち、2、3の組に分かれた中から、ぶなはり茸以外にいくつかの"食用"きのこが選別、収斂されてきた。むきたけモドキ、ならたけモドキ、しめじ系モドキの3種。確たる自信が無いのでこの時点ではモドキである。以降は、ぶなはり茸とこの3種を中心に収集し、遡行していくこととなる。  ただ、一番多く採れたのは、やはり安心確実なぶなはり茸であった。一ヶ所、ぶなの倒木に群生したぶなはり茸を見た時は圧巻だった。門脇さんの"オーイ"の掛け声で行って見ると、沢水に近い急な傾斜地に直径80cm、長さ8m程の倒木の上に一面ぎっしりあの白いぶなはり茸が、採ってくれといわんばかりに生えている。4、5人で倒木に取り付いて採るも、すぐに袋が一杯になってしまい重くて片手では持っていられなくなる。お花畑ならぬ、まさにきのこ畑であった。各自の袋が一杯になり、一里滝本沢から宿営予定地である坊主沼避難小屋に一番近い処につめ上げられる左俣を遡行する。  この沢は不気味であった。ゲジゲジが岩の至る処に張り付いているのである。長さ3~4cmの死んでいるものも、生きて動めいているものもごっちゃにいて、手を着ける処がないほどである。西舘さんは指に巻きつかれたらしく閉口していた。これも地球温暖化を遠因とする一つなのだろうか?ゲジゲジとやり合いながら源頭へつめてからは、私にとって初めての(恐らく森さんにとっても)、薮漕ぎの始まりである。  始めのうちは、"これくらい(密度の低い)なら楽だなあ"という声があがったが、だんだんと濃くなるに従い、誰も何も言わなくなる。本で読んだり、話には聞いていたが、確かにこれはやっかいものだ。背丈を越える薮竹が立ち塞がり、手や足で何とか掻き分け、倒しても反動でビシッと顔に跳ね返ってくる。これでは眼がねのレンズが傷つくどころか、フレームごと吹っ飛びかねない。頭を寝かせて突っ込んでいくが、行く先を見据えるためどうしても顔を上げることが必要になる。目の前の薮竹ばかりに気をとられていると、踏みつけた薮竹に足元をとられすっころびそうになる。両手、両足、頭と文字通り全身を使って、しかも初めてなのでかなり力んでいて、沢の遡行より数倍エネルギーを使っている感じで息が上がる。 現在位置の特定も難しく、かなり目標の避難小屋から逸れてしまった感があったが、何とか尾根沿いの登山道に出られた時はホッとした。たかだが1時間程度の薮漕ぎであったが、こんなのが何時間も続いたらと思うとゾっとする。慣れるにはたくさんの授業料を払わねばならないのだろう。  登山道を南に進むこと4、5分、宿営地の坊主沼避難小屋へ14時過ぎに到着。小屋内に入り、土間上の板張りに腰掛け人心地つく。 中は20畳程で、入り口はいって手前に囲炉裏らしきスペースがあり、その左右に腰掛板が4m程渡り、それらの奥が奥行き2m強×幅4m程の板張りとなっている。今晩は快適に過ごせそうだ。一休みして間もなく、清野さんと西舘さんが、水汲みに出かける。近くに水場は無く、沼の水を汲んでくるが、ちょっと遠慮させて頂きたい感じである。門脇さんが水場を探しに行くと言われたので、付いていくことにする。登山道を北へ15分程下った処できれいな清水を見つけその晩、翌朝の食事分の水を汲んで帰ることができた。  その晩、というより夕方の膳は豪勢であった。4時ごろには天ぷらを揚げて食べ始める。食当森さんが用意した茄子、ピーマン、さつま芋、そして採ったきのこを揚げる。さつま芋が殊のほか好評で、勿論きのこも肉厚で歯ごたえがしっかりしていてとても旨かった。てんぷらの後は、味噌鍋にしてきのこを食べる。合わせ味噌がきのこに上品にマッチして良かった。春先の山菜と同様、自分で採ったきのこをその日の内にたらふく食べられるのは至上の喜びだ。量も売るほどあるので、食い意地の張った取り合いが起こる心配もない。一点気になったことと言えば、食べたキノコはぶなはり茸のみで、他のモドキ茸3種は一切口にしなかったことである。調理してみようかという話題にものぼらなかった。私は清野さんと一緒にむきたけモドキを採ったのだが、いま一つ食べてみようという積極的な気になれない。95%、いや98%程度間違いないと思えるのだが、あとの2%の確証がないため食べようと言い切れないのである。他の皆さんの気持ちがどうだったか定かでないが、恐らく似たような心境だったのではないか。  たら腹食べているところへ、5時半頃中高年男子3、女子1の4人組パーティーが小屋へ到着、同宿することとなる。食べ終えたところで眠くなり、3人が仮眠といって6時頃からシュラフに入り寝入りだす。残り3人は煙い焚き火の中、酒をちびりちびりとやりながら話し込むが、他のパーティーが7時に寝てしまったため、8時に寝入る。  翌朝6時前起床、朝食にラーメンを食べ、7時45分甲子温泉大黒屋へ向け下山する。数日来の雨で登山道はドロドロで滑り易く、気を遣いながら足を運び、9時50分に大黒屋到着。早速温泉に浸る。秘湯と呼ばれるだけあって、風呂場の上にはいかにも古く太い梁を使った天井がはしり、趣がある。混浴の大浴槽は湯船が広く、しかも底が深く湯量たっぷりで体の芯底まで温まる。風呂からあがり皆で大広間に集まる。当然のことながらビールが運ばれてくる。ここからは、"運転手は君(須藤)だ♪、社長〔車掌〕は僕だっ♪♪"の世界である。よく分ってきたのだから、覚悟は出来ている。東北道でルームミラー越しに見る皆さんの寝顔は、疲れた中にも充実したそれに見えた。
一里滝沢は小滝の続くこぢんまりとした沢です。
両角さんも復帰しての山行となりました。
たくさん生えているのですが、その度に図鑑とにらめっこ。
それでもブナハリタケの畑のような倒木を発見。
実はこっちのほうが美味しかったというナラタケを見逃しましたが。
避難小屋での宴会は実現しました。
甲子はもう秋です。紅葉も十分楽しんできました。 番外編?西那須野の小料理やさんにて  大黒屋を出た後、西那須野にある清野さん顔見知りの小料理さんに寄って昼食をとった。このお店のおかみさんは、実に心にくい気配りをお持ちで、料理の素材それを生かすセンス、味ともに最良であった。皆海鮮丼を頼んで頬張る。お金の話をするのは、はしたないが1,300円であの鮮度、中身の具がどんぶり一杯に盛られているのは驚きである。中トロ、カンパチ、うにまでが載っている。その上、膳には煮物、果物等の小鉢が幾つも載せられ、中にはアケビを調理したものがあり、果物鉢にはサルナシ(こくわ)が並べられていて、季節感、郷土感を感じさせる粋がある。  僕らがとってきたぶなはり茸も調理して頂いた。皿に盛られたきのこは、醤油、酒、砂糖で焼かれ、味がしっかりと付き、適度な歯ごたえのある料理へと変身していた。肉厚で少したんぱくなぶなはり茸の特徴を生かした絶妙な味であった。採ってきたモドキたけ3種も鑑定して頂いた。その結果はびっくりである。モドキがすべてとれて、まっとうなきのことなったのである。あらんことか皆高級きのことのことである。それを聞いて皆一様に残念がる。ならたけは結構いろいろなところで目にしたが、なんとなくうさんくさく、採るのを避けていたのである。極めつけは、薮漕ぎの最中に横たわっていた倒木にぶなはりたけの時と同じように、所狭しと生えていたのを皆でじいーと見入るだけで取り残してきたことである。むきたけも同様である。ぶなはりたけ、ならたけほど群生している処は無かったが、結構採ったつもりでいた。悔やまれるのは、清野さんが途中でおじけづいてしまい、あろうことか取ったものを"ちょっとこれは変だ"とか言って捨てだしたのである。私も同意した上でやったのでとやかく言えたものではないが..(清野さん、失礼なことを言ってスミマセン。でも事実なので)。でもまあ、一応私たちの目にくるいは無かったのである。それだけでも良しとせねば。これで来年からはレパートリーが3種類も増えるのだから。高級きのこ3種は、それほど大量ではなく、門脇さんの一声で、おかみさんに差し上げることにした。おかみさんにはとても喜んで頂き、めでたし、めでたし。  失礼ながらお店の名前は忘れてしまったが、那須方面へお越しの際は、清野さんにお聞きして是非寄って頂きたいお店である。 ※追記 那須の小料理屋は「萬歳楽」といいまして、今年の春まで東京・人形町にあったのです。 場所は那須塩原市箭坪(やつぼ)35?4で、電話は0254?99?2822です。あちら方面に行くことがあったらかおをだしてみてください。
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