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 2008-10-18 23:00
日程:2008年10月18日(土)?19日(日)
山域:谷川岳 マチガ沢東南稜
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:古屋(CL)、平川(SL)、須藤、羽生田、木村(記録)

記録:
 6:00谷川岳ロープウェイ乗場を出発。巌剛新道を登り下降点からマチガ沢へ入渓。秋晴れの素晴らしい天気で遡行意欲が湧いてくる。登攀具を身に着け8:00遡行開始。快適に次々とあらわれる滝を登っていく。途中一箇所、微妙なトラバースがありロープを出して確保した。岩場で休憩しているとオコジョが顔を見せてくれた。天気が良く見通しがきくので目指す東南稜がはっきりと見える。おかげでスムーズに東南稜取付きのテラスに到着。ガスっていたら迷ってしまうかもしれない。
 10:30クライミング開始、1班:古屋・平川・羽生田と2班:須藤・木村の2組に分かれて登る。皆、沢靴からクライミングシューズに履き替えたが古屋さんだけはアクアステルスの沢靴のまま。1ピッチ目はまず1班平川さんがリード。「こりゃ滑り台だ?」との声、クライミングシューズでも結構滑るようだ。続いて羽生田さんが中間でいく、ゴロッと音がし岩が崩れたようだ。2班は須藤さんのリード。取付いてみるとジメッとした感じで確かに岩がすべる。慎重に足を運びつるっとしたスラブを乗り越える。2ピッチ目は古屋さんと木村がリード。2つルートがあるようだが左の凹角を登る。凹角を抜けた後、ルートが分からなくなり少し迷ってしまう。ロープの流れをあまり考慮せずにヌンチャクをかけてしまい流れが悪くなってしまった。ビレイポイントに着き1班の隣に支点をセットする。その際古屋さんのナッツを使わせてもらった。簡単にセットと取り外しができて便利。3ピッチ目は平川さん、須藤さんのリード。須藤さんは直角のクラック沿いをいきたそうだったが、私にはムリとやめてもらう。3ピッチ目はほとんど手を使わないような登り。西黒尾根や天神尾根を歩く人影が遥か向こうに見え、抜群の高度感の中気持ちよく登っていく。
 終了点から20分ほどでオキの耳へ、計画書通り13:00に山頂到着。あっという間に終わってしまいもう少し登りたいなと思った。山頂は紅葉目当ての登山客でいっぱいだ。下山は西黒尾根。いつものように温泉に入り、そばを食べ帰路につく。




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 2008-9-10 22:20
日程    2008年9月10日(水)?11日(木)
山域    南アルプス 北岳バットレス第四尾根
山行形態  アルパインクライミング
参加者   〔CL,食当2〕木村 〔SL〕門脇 〔装備,食当1〕古屋 〔記録〕平川

 《 極上のクライミング 》・・と、タイトルを付けたくなるような2日間だった。
 北岳バットレス第4尾根は最も人気の高いアルパインルートのひとつである。???級前後の易しいルートながら、総数9?10ピッチのマルチが可能で、フェース、クラック、リッジ、懸垂下降と変化に富んでいる。必然的に多くのクライマーが集まり、シーズン中は順番待ちが起きる程だ。しかし我々4人は爽やかな秋晴れの中、この岩場を完全に独占して何とも夢のような2日間を過ごす事が出来た。

 9/10(水)AM7:00に南武線 谷保駅に集合したのは門脇、木村、平川の3人。古屋さんとは夜叉神峠で待ち合わせている。夜叉神峠?広河原間はマイカー規制が入っているため、ここからは乗り合いタクシー(\1.000/ 1人)で広河原に向かう。広河原を10:50に出発し御池小屋を目指して登山道に入る。始めは緩やかな登りだが次第に急登になり、結構キツイ登りだった。御池小屋には13:00に着いた。私自身は13年ぶりの再訪で、小屋も新しくなり、以前の印象とは随分違った所になっていた。
 早速、広々としたサイトにテントを張り、雲ひとつない爽やかな秋晴れの下でゆっくりとした時間を過ごす。初日の今日は明日の取り付きであるbガリー大滝を偵察する以外に予定無しだ。ゆっくりとした昼食後、14時過ぎに偵察に出掛けた。取り付きであるbガリー大滝は大樺沢を1時間程登って出合うバットレス沢の上部にある。そのバットレス沢と、C沢の見極めをした所で偵察は終了とした。
 テントに戻りバットレスを眺めながら飲むビールは最高に美味い。(ちなみに小屋で売っているビールは500mlが700円、350mlが500円であった)。幕場には10張り程のテントがあり、その内クライマーは2パーティーである。明日の出発は我々より遅く、しかも初心者がいるので先に行ってくれと言う。願ったり叶ったりであった。
 翌朝は3時に起床し4時に出発した。昨日のバットレス沢には5:00着、取り付き点になるbガリー大滝には6:00に着いた。さあ、いよいよ念願のバットレス登攀だ。予報では昨日までであった晴天は良い方に外れ、雲ひとつない紺碧の青空である。つるべで攀るので、門脇?木村、古屋?平川がペアになり6:15登攀開始した。最初のbガリー大滝は2ピッチの易しいクラック+フェースの登攀である。難なく登って四尾根への横断バンドを探したがこれがどうも分からない。もう少し上ではないかとガレのルンゼを詰めて行くが、痩せ尾根のコルに出てしまった。落石が多く結構冷や汗もののルンゼであったが、そこには我々同様
に間違えて登ってきたパーティーがいた事を物語る懸垂用の支点が幾つかあった。


 尾根の反対側にはC沢を挟んで四尾根の取り付きを示す『4』の赤ペンキも見える。ここは、先縦者に倣って懸垂で降りるしかない。
 ちょっと寄り道したが四尾根には8:00丁度に取り付く事が出来た。ここから先がアルパインクライミングの世界だ。四尾根1ピッチ目のクラック(?+)を古屋リードで攀る。40m程ロープを伸ばして平川がセカンドで続く。門脇組は門脇リード、セカンド木村で続く。その後は両組ともリード&フォローの繰り返しで登る。岩は硬くフラットソールのフリクションは抜群で僅かなスタンスでも立ち込む事が出来る。
 四尾根のポイントである『マッチ箱のピーク』には9:30に着いた。ここは10mの懸垂でクラックの走る左フランケ側に降りる。ここのバンドで暫し休憩を取った。50cm程の狭いバンドの下は200?300mはありそうな立った壁だが、日当たりの良いバンドに座って妙に落ち着いた気分(満ち足りた気分)が心地良かった。見上げれば抜けるような雲ひとつ無い青空、からりと乾いた空気に残暑の日差しも心地良く感じられる。『極上のクライミングをしているな』という実感があった。ここからフェースを古屋、木村のリードで登り返し、次のDガリー奥壁の最終ピッチとなるチムニーを登るが、平川は快適な高度感のこのピッチのリードが一番心地良かった。大テラス(終了点)には11:30到着。bガリー大滝からは約5時間の登攀を我々だけで壁を独占して楽しむ事が出来た。恐らく年に何度も無い、全ての面で最適な条件の基、アルパインクライ
ミングを堪能することができた。
 一休みして頂上には12:20着。富士山から奥秩父、手前には鳳凰三山と甲斐駒、そして遠く槍ヶ岳まではっきりと見ることが出来る。暫く休んで草すべりを一気に下り、御池小屋には14:00に降りた。テン場からは後から登りだした隣のテント組が丁度マッチ箱を越えている所が見える。テントを撤収して15:00下山開始。広河原には16:45に到着し17:15の乗り合いタクシーで夜叉神峠の駐車場に戻った。芦安の立ち寄り湯(¥500)と白根IC近くのファミレスで軽く反省会をして帰路に着いた。










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 2008-9-10 12:00
日程:2009年9月10日(水)?11日(木)
山域:北岳バットレス 第四尾根
山行形態:岩登り
メンバー:門脇、古屋、平川、木村


四尾根取付き最初のクラックを登る


マッチ箱のコルから懸垂下降し一息つく


カドワックス、30年ぶりにバットレスを登る


北岳山頂!

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blogmaster 2008-8-23 20:50
日程:2008年8月23日(土)?26日(火)
山域:槍ヶ岳 北鎌尾根
山行形態:岩稜
メンバー及び役割:木村(CL、食当、記録)、羽生田(会員外、SL)

記録:
8/24 中房温泉(6:00)?合戦小屋(8:10)?燕山荘(9:20)?大天井岳分岐(11:30)?大天井ヒュッテ(12:15)?貧乏沢下降点(12:55)?天上沢出合(14:55)?北鎌沢出合手前(15:40)幕営
8/25 北鎌沢出合(5:05)?右俣出合(5:30)?北鎌のコル北東のピーク(9:45)?コル(10:40)?2749mのピーク(12:00)?独標(14:10)?ビバーク地(16:45)
8/26 ビバーク地(5:50)?北鎌平(7:15)?槍ヶ岳山頂(9:15)?槍岳山荘(10:45)?上高地(16:05)

 8月23日夜、西新宿のバスターミナルに集合し夜行バスで穂高へ向う。天気予報はあまりよくない。8月24日4:00に穂高に到着、予約しておいたタクシーに乗換え中房温泉へ向う。かなり激しい雨が降っている。5:00には中房温泉に到着し、トイレの中で身支度を整える。次第に雨は小降りになり6:00にはなんとか出発することができた。今日は日曜日なので下山してくる人が多い。ザックにヘルメットをぶらさげているのを見て「北鎌ですか?」と声をかけられる。8:10には合戦小屋へ到着。名物のスイカを食べる。美味しい。燕山荘には9:20に着いた。この頃には天気もかなり回復し周囲の景色が少しずつ見えるようになってきた。ここからは大天井ヒュッテまで快適な縦走路だ。なぜかサルの大群が岩峰に集っている。

北アルプスでこういう光景を見るのははじめてだ。縦走路とはいえ荷物が重いのでなかなかつらい。休み休み歩を進め12:15に大天井ヒュッテに到着。この頃には晴れ間もみえはじめ、私達はなんてツイテルのだとはしゃぎあう。
 休憩後いよいよ貧乏沢下降点へむけて出発。7月に下見をしておいた下降点は「貧乏沢入口」という札がありとても分かりやすい。入ってみると踏み跡はかなりしっかりしているのでルートに迷うことなく降りられそうだ。

少し前に北鎌に行った古屋さん・中山さんのアドバイスどおり左岸沿いの巻き道を下っていく。下るほどにどんどん沢らしくなってゆき、天気もどんどんよくなって気持ち良く沢下りを楽しめた。約2時間ほどで天上沢出合に到達。天井沢は広く、北鎌尾根へ一歩近づいたこともあり興奮する。ここからは今日の幕営地を探しながら、できるだけ北鎌沢出合まで近づくことにする。キョロキョロしてるといくつか幕営可能な場所がある。なんとなく歩いていくと北鎌沢出合付近まできてしまった。ちょうどそこにロープを張って寝袋等を干している人がいた。その近くに良い場所があったので今夜はそこにテントを張ることにする。ザックを置いて北鎌沢を偵察し、先客に挨拶をする。ガイド志望の単独行で2日間北鎌のコルでビバークし今日下降してきたそうだ。かなり時間があるらしく今回の山行で2回北鎌尾根を登る予定だとか。世の中いろんな人がいるものである。
 テント設営後、焚火に取掛るがなかなか火がつかない。もたもたしている私達をみて、さっきのガイド志望の人が手伝いに来てくれた。それでも火はつかず、半ば諦めかけた頃、1時間ほどしてようやく火が点いた。焚火に関してはまだまだ授業料が必要だ。今晩のメニューは穴子寿司、たまごスープ、ウィンナー。夜になると霧が
立ち込めてきて明日の天気が少々気になる。20:00に就寝。
 8月25日3:00起床。ラーメンを食べ身支度を整える。5:00には出発し北鎌沢出合から沢を遡行していく。

しばらくすると二俣になる。あきらかに左俣のほうが水量が多いが、ガイドブック通り右俣に入る。1時間ほど遡行すると水流がなくなったので水を汲むことにする。コルの手前まで水が出ていると聞いていたが心配なので早めに水をとる。木村が3ℓ、羽生田さんが2ℓ確保した。右俣の最後の詰めは沢からはずれた踏み跡が歩きやすいと聞いていたので、それを探しながら歩く。少々早い気もするが右側に明瞭な踏み跡がでてきた。これではないかと思い進んでみる。どんどん上がっていくと正面の岩壁に新しい赤いシュリンゲがかかっていた。懸垂の支点のようだなと思いつつさらに登っていく。今思えばここで疑って引き返すべきだったのだ。中山さんからもシュリンゲのことがアドバイスされていたのに・・・。経験の浅い二人はやけに急になってくる斜面をずんずん進んでいった。すると岩と草付の急な壁に行き当たった。少し思案するも木の根にしがみつきながら前進する。ルートをはずれた事は認識しながらもうっすらと踏み跡があるのでこのまま行ってしまおうということになる。急な草付を恐る恐る登っていく。かなり冷や汗ものだ。支尾根までもう少し、最後のピッチはロープを出しようやく安定した場所に立つ事ができた。ここから約30分ほど藪こぎをして9:45ようやく北鎌の稜線に出ることができた。ヤッター!と妙な達成感と疲労感が。出てきた場所は北鎌コル北東のピークらしい。早くも今回の山行の核心部であった。少し休憩して気分を落ち着かせ北鎌のコルへ向う。途中懸垂下降を1回。コルはテント1?2張り可能な安定した場所であった。
さっきのルートミスで約3時間ほどロスしてしまった。

あせってもしょうがないので落着いてゆっくり歩くことにする。コルからは踏み跡も明瞭で(さっきのに比べるとホントに歩きやすい!)じわじわと高度を上げていく。12:00に2749mの稜線に出た。幕営できそうな場所はかなりある。ついでにゴミもたくさんある。稜線には出たが周囲はガスっていて展望はきかない。ルートがよく分からなくなったら稜線上を行こうと確認し、いよいよ岩稜帯歩きに突入。ここから先も踏み跡はわりと分かりやすく切れ落ちた岩稜のトラバースや少し難しいクライムダウンなどをこなしていく。




どの場所も一歩間違えれば奈落の底へ落ちていくので緊張感のある場面ばかりだ。やがて少し難しいチムニーを越え14:10独標に到着する。無理をすれば山頂までも可能そうだが、暗くなるとルートが分かりにくいのでどこかでビバークしてもいいかもしれない。
時折、オコジョやサルが顔を出し楽しませてくれる。この稜線上に私達二人しかいないというのも贅沢なものである。次々と現れる岩峰を巻いたり登ったりするも、だんだんと疲れがでてきてペースダウンしていく。16:45頃あるピーク直下の肩にテント1張り可能なスペースをみつけた。今夜はここでビバークすることにする。断崖絶壁の上だがテントの中に入れば暖かく居心地は良い。幸い風もなく小雨が時折ぱらつく程度で快適な一夜を過ごすことができた。水もかなり余分に持っていたので、米を炊き味噌汁、コーンビーフと葱の炒め物という豪華な夕食を食べることができた。
8月26日寝過ごして4:30に起床。スープとお茶を飲み行動食で簡単に朝食をすませる。行動用の水は1人500ml+α。ビバーク地を5:50に出発。ピークにいたのでいきなり急な下りからはじまる。天気はあいかわらず曇りだが視界は昨日よりひらけている。千丈沢側の巻き道を進んで行く。遠くから見ると難しそうな場所も近づくと案外無理なく登れる場所が多かった。7:15北鎌平に到着。この頃にはだいぶ雲が晴れてきて初めて槍の穂先を見ることができた。はるか先には西鎌尾根や硫黄尾根も見える。一晩ビバークした甲斐があったというものだ。
ここから先は稜線通しの岩塊地帯をゆく。まっすぐ聳える大槍の壁に一体どこを登るのかと思うが、ほとんど直線的に穂先へ向って進んでいけばよいみたいだ。残地シュリンゲをみつけ、そこが1つ目のチムニーであることが分かった。右側を巻くこともできそうだが、とりあえずチャレンジする。羽生田さんがまず登りシュリンゲを掴みながらうまくバランスをとってチムニーを越えた。次に木村の番。斜め左に向って2?3m程登ると足場があり、そこからシュリンゲを掴みながらトラバースするのだが、一歩踏出しだところでバランスが崩れこらえきれず落ちてしまった。落ちたのは2?3m程だが結構な衝撃でビックリしてしまった。そこで止まったから良かったものの、もっと下に落ちてたら大変なことだ。山頂を目前にして気が緩んでしまったのか、慎重さが足りずエイヤッで行ってしまった。かなり反省する。
体を動かしてみたら大丈夫そうだったので、もう一度チャレンジ。今度はお助け紐を出してもらい、なんとか登ることができた。続いて2つ目のチムニーを越える。こちらは慎重に行きなんなく越える。あとは階段状の岩を登るともうそこは槍の山頂であった。山頂からは周囲の稜線が良くみえる。長い道程であったがようやく山頂に立つことができた。いろんな事があったけど本当に来れてヨカッタと喜び合う。

槍岳山荘に下り、さっきの滑落でできた右膝のケガを応急手当し大休止する。バスの時刻を確認すると17:25上高地発のバスに乗れば今日中に東京に帰れるようだ。バスに乗りたい一心でかなりのスピードで下山する。足の裏が痛いが我慢して走るように降りていった。16:00過ぎに上高地に到着しビールで乾杯。バスと電車を乗り継ぎ予定通り東京に帰ることができた。

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執筆 : 
blogmaster 2008-8-20 20:40
日程 2008年8月18日(月)?21日(木)
山域 北アルプス 槍ヶ岳/北鎌尾根
山行形態 岩登り
メンバー:古屋(CL・記録)、中山(SL・食事)白川(記録)
8/18
15:00京王線調布駅集合。古屋車にて中房温泉へ。途中穂高駅の近くで夕食を取る。
19:00頃、中房温泉の駐車場に到着。入山祝い中に突然下山者が現れて、穂高駅まで行ってもらえないかと頼まれびっくり。10分下ると温泉宿があるのでそこでタクシーを頼むことを勧める。テント泊。 
8/19
4:30起床。朝食、身支度を整えて5:20に駐車場を後にした。水くみ休憩をし、5:45 
登山開始。 6:10第1ベンチ、7:00第3ベンチにて小休止。7:55に合戦小屋到着。休憩中に雨が本降りになったため合羽を着るなどで時間をとった。高度計の数値が変化したとのこと。寒冷前線の通過を知る。8:20に出発。ここからは登山道の横に夏定番の花が見られるようになった。ジグザグの急登。その後少し緩やかになり、9:05に燕山荘に到着。休憩の後にそのまま大天井岳へ向かう。花崗岩の奇岩とコマクサ。風雨強く展望なし。稜線は比較的なだらかであったが、横風はいよいよ強くなり、防風体制をとることもしばしばあった。蛙岩の夏道は岩の左側を巻く。あちこちで沢ができ、水が勢いよく流れていた。
12:00に大天井ヒュッテに到着。天上沢での渓中泊を予定していたが、悪天候のため停滞を決める。夕方が近くになって天候回復。ヒュッテ裏の牛首山に登った。南には赤岩岳へ伸びる尾根と、その向こうに、頂上がガスに覆われた前穂?北穂。間近に硫黄尾根。さらに北には湯俣の高瀬ダムも見えた。北鎌尾根の稜線を一望し、身が引き締まる思いがした。

夕食はマーボー春雨とご飯。最初にベーコンを炒めて、つまみを作り、その油を主菜に使うとおいしくなるなど、料理のコツを中山さんに教えていただいた。19:00の天気予報で次の低気圧が近づいていることを知る。明日の午後までは天気が持ちそうなので、何とか雨が降り出す前に頂上にたどり着きたい。19:30頃就寝。
8/20
3:30に起床。湯を沸かし、朝食はラーメンとご飯。ラーメンにいれた大振りのチャーシューが美味しかった。しっかり食べて4:50にヒュッテを出発。小屋の主人からは午後に雷があるかもしれないと知らされた。
5:10貧乏沢入口に着き、藪の中を下降する。虫が多く、ヘルメットの中やザックにびっしりと付いていた。5:30貧乏沢到着。沢筋は風もないので、昨日の雨で岩もぬれていてすべる。急な下りで展望もない。足場が悪く、沢の左側に巻き道が出現したので、なるべくそちらを歩くようにした。
6:50 天上沢出合。休憩をとり7:05に出発。天上沢は河原が広い。上流に向かって左岸を進み、沢幅の狭いところで右岸に移ると、じきに北鎌沢の出合である。到着は7:20。20分休憩の後出発して、7:50に二股に到着。右俣に入った。ここは分岐がわかりにくくそのまま左俣に入ってしまう人がいるという。標高2066m位の地点で休憩、その後さらに沢が分岐しており、右へ行く。沢の上方に青空が開け、コルらしき物が見えるようになった。

2360mを過ぎたあたりで、さらに分岐。左右を迷いつつも、歩きやすそうな右俣に進む。途中2箇所で残置ハーケンとシュリンゲがあった。そのまま上り詰めると北壁。登ることは不可能ではないが上方はコル手前のピークであることが予想され、そこからのルートがどういうものかわからないので、分岐に戻ることにした。懸垂下降2ピッチ。残置があったのは、ルートを間違えて戻った人たちがいたからなのだと改めて気がつく。「低いところから流れる沢の水が一番太いのだから、鞍部を目指すのならば水量の多い左俣を行くべきだったのだ」と中山さん。経験豊富な方の言葉が重く響いた。1時間強のロスタイムをし、草付きの急登を上がると北鎌のコルであった。11:15に到着し休憩をとる。昨日の雨のため、沢は源頭付近まで水があった。コルにはテント一張分のスペースがあり。ビバークで使ったらしい銀マット、ブルーシートやゴミの袋が木に結び付けてあった。登山者のマナーの悪さが嘆かわしい。ここでの休憩中に『北鎌尾根では下りすぎず稜線を行く』という方針を確認した。草付きの稜線はハイマツの繁みに変り、天狗の腰掛を過ぎると独標が見えた。風が冷たくなってきたので合羽を着た。上空のガスが濃くなっていく。




14:00に独標に到着。稜線の先にピークが隠された頂が大きく見えた。槍ヶ岳がこんなに近いはずはない!しかし風でガスが飛ばされた瞬間に槍の穂であることがわかった。思ったよりも近そうだが、実は遠いのだと自らを戒める。基本的には千丈沢側を巻く形で進んだが、稜線の所々にはちょうどビバークできそうな広さのスペースがあって、登攀の困難さを思った。道はガレており、昨日の雨に踏み跡も消え、ルートを見つけるのに苦労する。懸垂下降をしたらしい残置シュリンゲが何箇所もあった。岩を伝って千丈沢側を探ると、下の方にさらに下降して大きく巻く道も見えたが、登り返しが大変であろうと考えてそのまま稜線近くを進む。ガレはますますひどくなり、ザレ場となり、足場が不安定で油断できない。浮石だらけなので、一足ごとに崩れる。急斜面のトラバースは四つんばい状態で体のバランスを保ちつつ進むこともしばしばあり、足取りも遅くなった。北鎌平あたりは千丈沢側を回り込む形ですすみ稜線に上がると、背後に槍がそびえていた。視界が悪いので、方向を誤る危険がある。さらに進むと大岩の岩稜が現れた。ガスは濃く、頂上もまったく見えないが、古屋さんに「自分たちはすでに槍の穂に向かっている」と励まされ、へばりかけた気持ちも引き締まった。初めての山であっても、頭にある地図と実際の地形、高度計の数値から、自分たちのいる場所を判断しているのだと気がつき、ルートを切り開くとはこういうことなのだ!と痛感した。険しい岩稜ではあるが手がかりや足場はしっかりしており、ロープは不要。チムニー通過後、やや天上沢側にルートを取り、最後の直登で山頂の祠の裏にでた。穂先到着は17:25。霧雨は冷たい雨にかわり、当然のことながら頂上には人気もない。眼下にあるはずの槍ヶ岳山荘も見えず、下降時には鎖も梯子もぬれていた。その後30分かけて殺生ヒュッテまで下り、天候悪化も予想されたので、中山さんに判断をいただいて素泊まりとした。小屋到着は18:30。夕食はカレーライス。夜23:00頃から明け方5:00近くまで風雨かなり強く、小屋を揺るがす音にしばし目覚めた。テントは1人500円、素泊まりは6300円であったが、小屋で大正解。1日の行動時間は14時間におよび、足はパンパン。疲労度強し。


8/21
5:00起床。朝食は昨日と同じチャーシューラーメンである。もう1日山を謳歌する予定の中山さんよりも一足早く、6:30に古屋、白川でヒュッテを後にした。小雨。東鎌尾根ルートで8:30?8:45西岳ヒュッテ。このあたりでは雨は本降りであった。10:12に大天井ヒュッテ到着、休憩する。古屋さんが小屋の主人に北鎌のコルに放置されていたゴミについて報告してくださった。来週行く予定なのでそのときに片付けるとのこと。小屋の主人も大変である。11:50大下りの頭で休憩、この頃には雨はほとんど止んでいた。12:40?12:55燕山荘。その後13:30にも第2ベンチで休憩をとって、14:45に中房温泉登山口に到着した。穂高で温泉に入り、御殿場を過ぎてから夕食休憩。20:40頃新松田着。
中山さん、古屋さんの経験の中から培われた知識と判断力。ただついて行くだけの自分であったが、学ぶことがたくさんあった。自分には無理だろうと思っていた北鎌尾根。お二人に感謝である。
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