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山行記録 カレンダー
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msc_kiroku2 2006-4-2 23:50
CL:清野・両角・山本

 両角さんの車で土樽駅まで入り駅にてビバーク。前日雪が降ったようで、新たな積雪が30??40?ほど。

4月1日
6:40土樽駅を出発。橋を渡ってすぐに沢沿いに尾根の取り付きを目指すが、除雪された雪の壁を乗り越えるのに一苦労する。輪かんを着けて歩き始めるが、膝から腿くらいまでのラッセルとなり大汗をかきながら進む。トレースの無い雪面に踏み込んで行くのは真に気持ちの良いものだ。天気は穏やかで、風も無く晴れ渡っている。橋から水平距離200mほど魚の川沿いに下ると別荘風の建物が有り、7:40 此処から荒沢山の南側の尾根に取り付く。何しろ暑い。眩しい。3人が交替でトップを切り雪と格闘する。3人が一巡すると休憩を取り、再び交代でラッセルする。だんだんと近づいて来る稜線の複雑な地形・雪庇の張り出し・キレット上の落ち込み・斜度のきつい雪壁を眺めながらひたすら登る。頂上が近づくと、雪の下から石楠花の枝が輪かんに絡みつき疲労度が増す。
12:00 標高1320mの荒沢山山頂・標高差約650mを4時間半かけてのラッセルで山頂に立つ。周りの山々が見渡せる見通しの良い頂上を独占して昼食を摂る。良い天気だ。予報では明日は下り坂らしい。此処で泊まるには早過ぎるし、明日の行程が長くなる。とは言え、足拍子まで抜けるには時間が足らない。稜線上に泊まれる様なスペースが有るのだろうか?下から見えた、キレットの通過は可能なのか?色々考えていても仕方が無いので、兎に角行ける所まで行って見てどうするか決める事にする。12:35出発。輪かんをアイゼンに替えて歩き始めるが、すぐにナイフリッジの通過となり、ザイルを出すことになる。急な雪壁を下り再びやせ尾根へと這い上がる。アンザイレンしたままの登行が続く。やがて大きく落ち込む稜線の下りを露出した垂壁が阻む。右側・南西側のブッシュを懸垂下降で15m程下りトラバースして尾根上の鞍部に戻る。再びナイフリッジを進むと15mほどの雪壁で傾斜がきつい。両角さんがリードで取り付くが、核心部をどうしても突破できず、清野さんに交替。清野さんは空身になり、両角さんのアックスを借りて、ダブルアックスで取り付き、何とか突破した。雪の状態も余り良くないので、いつ足元のスッテップが崩れるのではないかと冷や冷やものだ。滑り出したら間違いなくどちらかの谷へまっしぐらだろう。此処の通過でかなりの時間を費やしてしまった。リードの清野さんは、壁に取り付いたままかなりの時間スッテプを切ったり、スタンスを固めたり試行錯誤。下で確保する方も、日の当たらない場所で、だんだんと風も出てきて、足場は悪く、腹は減って、鼻水は流れ。かなり疲労してしまった。雪壁を登りきった所で暫し休憩する。抜けるのは無理だが明るいうちに何とか泊まれる場所を確保しなければならない。難所は通過したものの、雪庇やらクレバスの通過で全く気の休まる所が無い。
17:00 荒沢山と足拍子山の中間辺りの尾根上にいくらか平らなスペースを見つけることが出来た。泊まるには此処しかない。雪庇の際までを整地すると結構快適なテント場となった。テントに潜り込むと疲れがどっと出た。しっかり飯を食い、しっかり酒も呑み21:00 就寝。

4月2日
4時頃、風の音で目を覚ます。悪天候の兆しだろうか。テントがばたついて、中に誰かいないと飛ばされそうだ。早々に起き出し朝食をとる。6時過ぎ出発。風が強い。昨日で核心部は終わりかと思ったがそうは行かない。テント場を出るなりザイルを出すことになる。コンテとスタッカとを繰り返して、ナイフリッジ・雪壁の登攀となり、交替でリードする。傾斜がきつく真っ直ぐに下れない所では、稜線を捲き気味に絡んで鞍部へトラバースすることになるが、岩の斜面に雪が張り付いただけで所々岩が露出し心許無い。雨がぱらつく事も有ったが、足拍子への登りに掛るころには薄日も差し、アイゼンの団子と格闘しながら大汗をかく。足拍子への登りは、遠目に見たよりも傾斜はきつくは無かったが、クレバスがあちこちに口を開け、ルートファインディングに気を使う。頂上からの下りも雪庇が裂けて気持ちが悪い。去年登った時とは全く違う景観だ。尾根の分岐となる1142m地点辺り(14:20)まで雪庇の張り出しが続いたのでザイルをつけたまま歩く。ここまでは緊張の連続で、のんびりした気分で休憩できる場所も無かった。此処からは尾根上には雪は無く、踏み跡を拾いながら一気に下ると駅前の橋の真正面に出られた。15:30土樽駅に帰還。
 荒沢山から足拍子山までは水平距離1キロ位のものだが9時間近く掛ってしまった。今回の反省として、ダブルアックスは必携だ。ちょっと充実しすぎた二日間でした。(記録:山本)

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