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msc_kiroku2 2005-11-26 8:59
登攀チームの上林さんから、レポートが届きました。 11月26日(土) 縦走組みと合同で、救助に必要な基本的なロープワークの練習。詳細は省略。 11月27日(日) 山岳スポーツセンター内の教室で、縦走組と登攀組 合同での簡単なオープニングの後、早速 二手に分かれて屋外での実習開始。登攀班は数グループに別れて、下記の4つの実習を順番に実施した。以下1番目、2番目、3番目、4番目とする。 1番目 : 「マリナーノットによるロープの架け替え」を使用したセルフレスキューと遭難者の引き上げ 2番目 : ロープにぶらさがった遭難者の場所まで別のロープで懸垂下降して、遭難者と確保者を連結し、遭難者のロープを切断して遭難者を救助する 3番目 : ロープとオートブロックシステムによる1対1と3対1の引き上げシステム 4番目 : ロープにぶらさがった遭難者を、確保者が同じロープで下降させて救助する 結論から言うと、それぞれのシステムが難しく、理解に至る前に実習に入り、言われるがままに実習を行ったため大半が全く身についていないし、中身を説明するのも非常に難しい。(そもそも理解していないし、既に記憶があやふや) 1番目。懸垂下降中にロープの結び目を通過しなければならないという設定で、マリナーノットを使用して、一旦別のシュリンゲにテンションを移して、結び目をバイパスさせてからメインのロープにテンションを戻す実習だが、時間切れで実施できず。同様の手法で、遭難者をムンターヒッチ(半マスト)で引き上げ中に、マリナーノットで結び目をバイパスする実習を実施。こちらはテンションを移したシュリンゲで結び目をバイパスさせた後、マリナーをゆるめると徐々にテンションがメインロープに戻るのを実習できた。 2番目。予めテープスリングで簡易チェストハーネスを着けた遭難者(こんな事はもちろん有り得ない)がロープにぶら下がり、確保者が別のロープで確保者の直ぐ下まで懸垂下降して仮固定。確保者が遭難者のハーネスとチェストハーネスを確保者に連結し、遭難者のロープを切断して再び懸垂で下降する。システムは多少複雑だが、やっている事は単純なので判りやすい。ポイントは確保者がデージーチェーン等を使用して逆V字型に懸垂下降のシステムをセットする事と、ロープを切断した時に遭難者にショックがかからないような位置に下降して仮固定する事。 前日の事前講習で初めて習ったミュールノットが実習直前にうまくできずにあせったが、その場で両角さんに教えていただいた「MSC方式のミュールノット」が非常に判りやすく、今回の講習の一番の収穫だったかもしれない。以前から懸垂下降中の仮固定を練習したかったが機会がなかったので、大変良い機会だった。実習中 懸垂下降で仮固定する前に両手を離した事を指摘されたが、ロープとオートブロックの摩擦で二重遭難をまぬがれる。危ない危ない。(もちろん このような時のためのバックアップは施してある) 3番目。斜面の下に居る遭難者や荷物をロープを使用して引き上げるという想定。1対1は、ロープで確保した遭難者を支点のカラビナでのムンターヒッチを経由して引き上げる。ポイントは遭難者側のロープと支点のカラビナをオートブロックで結び、引き上げる側が手を離してもオートブロックによりロープが戻らない事。逆V型と言うらしい。続けてロープをZ型にセットして3対1の実習。当然1対1より楽に引き上げられるはずだが、実習場所の制限で遭難者が斜面の下に居らず、水平にテンションをかけているだけなので、あまり軽くなった実感は無い。全員終わった時点で人口壁の途中にセットされた器具を使用して、実際にロープにぶらさがった人を引っ張る体験。 4番目。人工壁の最上段に上がり、動けない遭難者を1本のロープで確保者が懸垂下降しながら一緒に降ろすという想定。この実習はシステムが複雑で手順も多く、自分では全くセットできなかった。一から十までペアを組んでいただいた両角さんに指示していただき、確保者が遭難者に指示されて下降した感じ。システムも手順も全く説明できない。 感想: 今回参加人数も多く、講習そのものを効率よく行うために予め救助用システムの大部分がセットされた状態で講習を行った。(救助用システムを毎回セットしていたのでは膨大な時間がかかるため仕方が無い)このためシステムを理解する前に「説明された手順でこなす」と言った感が強く、システムを理解するまでには何度か同じことを繰り返す必要があると感じた。毎年参加しても私の頭では習得するのに5年はかかりそうだ。 前日の事前講習を含めて自分にとって収穫があったのは下記の点と言える。 ・マリナーノットの利点、結び方 ・ミュールノットによる懸垂下降中の仮固定 ・テープシュリンゲによる簡易ハーネス(複数方式) ・プルージックやオートブロックの特性が遭難救助に極めて有効な事 ・インライン エイトノットによる流動分散(インライン エイトノットも結構難しい) ・登攀中の遭難者の救助の難しさをなんとなく実感した あまりのできの悪さに我ながらあきれ返り、山と渓谷社の「全図解レスキューテクニック」を直ぐに購入して読み始めたのが一番の収穫だったかもしれない。実際 講習会で教えていただいたかなりの部分が判りやすく解説してあった。次回はこの本で予習してから講習会に望む事にしようと思う。 以上。
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