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山行記録 カレンダー
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msc_kiroku2 2006-8-15 16:51
CL清野・SL門脇・山本(記録・食当)・重川(ブロッケン山の会) 『早出川虻山考』 15日 東京発最終の新幹線は割と空いていた。門脇・重川・山本の3人でビールを呑みながら列車の旅を楽しむ。清野とは明日新潟駅で合流する予定で、今ごろ新潟の実家にいるはずだ。『今年の夏の一本』が早出川と決まったのは5月頃だったのではないか?諸般の事情で参加者が減ってしまい、3人では少し寂しいし荷物が重いので、ブロッケンの重川氏をお誘いする事となった。新潟駅では駅の外れにあるレンタカー屋の軒下に寝床を確保し、もう一杯だけ呑んでから横になった。 16日 5時半、迎えの清野車に乗り込み室谷を目指す。室谷の部落を過ぎ、室谷川沿いに上る。林道二俣の先で橋を渡った所に3台分ほどの駐車スペースが有る。早出川へ入るらしいパーティが先着しており沢支度をしていた。車を降りるといきなり暑い。既に数匹の虻のお出迎えだ。睡眠不足と暑さの所為か、ひどく体調が悪い。  軽量化に努めたつもりであったがかなり重い。共同装備を別けて8:10山道を登り始める。山越えをしなければ早出川には入れないのだ。朝露でびしょ濡れになりながらの急登。草いきれ。暑い。明瞭な踏み跡はいつの間にか沢沿いになり、ついに沢を登る事になった。どこかで道を失ったようだ。沢に入ると虻の数が増えてきた。黄緑色をした虻だ。やがて沢筋が消えて、右岸の尾根を登る。11:50やっと稜線に出た。皆、熱中症の一歩手前くらいだ。腰をおろして一息つく。山本は、途中で飲んだ水を全て吐いてしまった。頭がくらくらする。ここからは下りなので何とかなるだろう。コルまで下り、踏み跡を見つけて降りて行くと、沢に出た。赤ッパ沢だ。沢を下って13:30今早出川に降り立つ。此処までがホントに長く感じられた。  荷も重いので、此処に泊まってもよいかと気持ちは揺れたが、気を取り直して今出まで下る事にする。暑い・重い・水がぬるい・水が少ない・虻がうるさい。防虫ネットを被ってみたが、鬱陶しい上に視界が悪く落ち着かない。半袖のまま歩いたので腕を刺された。15:30今出着。バテた。  割岩沢に入ってすぐの左岸の河原にタープを張る。缶ビールを沢に沈めても、水温が高いのでちっとも冷えない。山深いのだが、標高は400mしかない。薪を集めて焚き火に取り掛かる。ベーコンとエリンギのバター炒めを作りビールをあけたが、虻が寄ってきて落ち着いて座っていられない。門脇が個人装備で持ってきた蚊帳をタープの下に張り、門脇・重川はすでに蚊帳に避難して呑んでいた。外での炊事も焚き火も諦め、皆蚊帳に入る。日が落ちて外気温が下がるまで虻は引かないようだ。水・食料・炊事道具などを蚊帳に持ち込み宴会する。  気が付くと蚊帳の外は虻だらけだ。いつの間にか浸入してくる虻を容赦なく、叩き潰す。ハエほど動きが素早くないので、指でもつまめる。蚊帳が無ければ一晩で顔の形が変わってしまうだろう。我々の後から入渓してきた男2人・女1人のパーティも到着し、出合いの河原に幕営したようだが、蚊帳を持っていなければ大変な夜になるだろう。考えただけでも恐ろしい。日が落ちてから蚊帳を脱け出し焚き火もしたが、しつこい虻に付きまとわれ落ち着かない。疲労も有って余り酒は進まず。 17日 5時起床。虻も早起きだ。蚊帳の中で炊事をして朝食を摂る。昼用の弁当をこしらえて各自弁当箱に詰める。のんびり雉など打っていてら大変な事になる。身支度も蚊帳の中で済ませて表に出る。7:15今出を出発。軽装で足取りも軽い。今日の予定は、割岩沢を釣りながらのんびり溯行し、北俣沢辺りまで行って同沢下降。長袖のシャツを着込み、防虫ネットを被る。門脇は、虻対策としてネオプレーンの長ズボンに雨具の上着を着込んでいる。ここまでするとかなり暑いはずだが、虻の餌食になるよりはマシという訳。  門脇・清野は歩き始めてすぐの淵から竿を出す。重川は、畳んでも長い竿は邪魔になるからと幕場に置いて来た。山本は初めから釣りをする気無しだ。岩魚は確かに走るのだが、なかなか釣れるものではないな。2時間くらい釣りをしていただろうか。門脇の竿は折れてしまい、清野の糸は絡まり、今日の釣りはここまでとなる。岩魚は眼下にうようよ居るのだが、我々にとっては観賞用の岩魚でしかないのだ。?ゴルジュを泳いでわたるはたのし?♪水がぬるいので、ネオプレーン無しでガバガバ水に入って快適だ。10:05やっと夕沢出合いに着く。魚釣りというのは、釣れても釣れなくても時間のかかるものだ。巨岩帯を越え、ゴルジュ帯も快適に泳いで通過する。平水位以下なのだろう。ひょうたん窪をざぶざぶ泳ぎ、11:45 200mスラブの前で昼食を摂る。  上手に炊けたご飯を握り飯にはせず、弁当箱にふんわりと詰めて、大きな梅干・いわしの佃煮・漬物・ふりかけ。味噌汁でも付けば云うこと無しだが、虻の沢ではそうもいかない。この沢は、とても綺麗なナメが残っており、青みがかった明るい緑色の沢床が目を楽しませてくれる。ほどなくジッピが現れる。ジッピは滝の後退現象だそうで、両手を広げると側壁に届くくらいの岩の割れ目だ。いくらか陽が差し込み、水面が光る。今は穏やかなジッピだが、増水したらどんな事になるのだろうか?  清野が空身でライジャを着けてリードする。流れはさほど強くは無いが、圧巻だ。ザックピストンで次々引き揚げる。12:55ジッピ上。この先少しゴルジュ帯が続き、再び綺麗なナメ床帯だ。北俣沢出合いで溯行を打ち切り、13:25下降開始.16:40幕場到着. 『虻深し、隣は何をする清野』  二日目の虻の夜。虻が静まってから焚き火する。少しは虻に慣れたのか? 否。昨日よりは酒がすすむ。8時過ぎには眠る。蚊帳に入る時、薮蚊や蚋が入り込み、寝ている間に刺されまくり手の甲がボコボコになった。痒みに耐えられなくなり皆起き出し、ヘッデンを点けて暫し藪蚊退治。 18日 5時半起床。昨日より涼しい所為か、幕場周辺の虻が少ない。今日の予定は、赤ッパ沢出合いに幕場を移し、今早出川を釣りながらのんびり溯行。はっきり言って、虻の所為ですっかり戦闘意欲喪失、溯行意欲をそがれてしまったのだ。7:40撤収して出発。沢を渡って今早出出合いの河原に上がった途端、虻の猛襲に合う。すさまじい虻だ。慌ててネットを被り雨具を着込む。清野は長袖の冬用の下着に長袖のシャツ。門脇は、昨日ジッピの泳ぎで防虫ネットを流されてしまい、雨具のフードを被っていたがそんなものじゃ虻には勝てない。ガチャ入れにしていたメッシュの袋を防虫網代わりにかぶりその上からヘルメット・雨具のフードで完全装備。赤ッパ沢に入りすぐの左岸に切り開かれた台地を見つけ幕営。10:00釣行に出発。釣竿は清野の1本だけなので釣りは清野に任せて、重川・山本は淵で泳いだり、枝沢の偵察に行ったりする。門脇は、何とか食べられそうな山菜を採って皮むきなどしていた。「釣りの才能が無い」と自負?していた清野だったが、なんと今回の初釣果。小ぶりでは有るが岩魚をゲット。生まれて初めて岩魚を釣ったとか。1匹釣れば釣り名人。今度は重川が竿を握る。暫くするともう少し大きいのを1匹上げてきた。こうなると仕方ない、私も釣らねば。深い淵の底まではっきりと見通せる。川底に張り付いて、大きいのや小さいのが列を作って並んでいる。下流に頭を向けてほとんど動かない。鼻先めがけて餌を落とすが見向きもしない。だんだん飽きてきてしまい、釣りは終わりにする。適性が無いのだと思う。  釣りをしていると時間がかかって、いくらも進まないうちに昼飯時になり弁当を食べる。ネットの中に侵入した虻に、耳を何箇所も刺されてしまい熱っぽい。雨具の上下を着込んでフードも被って、大岩の上に寝転んでいたらいつの間にか眠ってしまった。門脇が釣りを続けていたが釣れない様だ。何となく雲行きが怪しい。その後ものんびりと釣りながら歩き14:00下降開始。ポツポツ降り出してきた雨が、すぐに本降りになった。釣った魚を袋に入れて沢の途中にデポって来たのだが、10センチも増水したら流されてしまう。幕場の下には酒も冷やしているのだ。とにかく急いで下る。40分ほどで幕場に着いた時には土砂降りになった。酒も岩魚も無事に回収し、ずぶ濡れのままタープに潜り込む。物凄い雷雨だ。タープに溜まった雨水をコッフェルに受けて湯を沸かす。  タープのしたにも流れ込んでくるので、門脇が溝堀に出た。本流に目を向けると、川幅一杯に大増水し濁流と化していた。幕場にたどり着いて約30分後のことだ。この幕場は高台なので心配ないが、昨日まで泊まっていた河原は水没しているだろう。我々の下降が20?30分遅ければ、巻き込まれていたかもしれない。早出川の名前の通り、あっという間の増水だ。雨が上がり30分もすると、もういくらか水が引き始めているようだ。出るのも早いが、引くのも早い。外に出て濁流の写真を撮ったが上手く写ったかどうか?釣った魚はバター焼きにして酒のつまみとなった。焚き火で体を乾かして、仕上げにたぬき饂飩で温まる。21時頃寝る。 19日 5時起床。6:25出発。虻の川ともお別れだ。今日も天気は良い。赤ッパ沢から山道に入り7:22峠に出る。暑い。黄緑色の虻が寄ってくる。ここからは急なくだりで、随所にトラロープが有る。ここが正規のルートのようだが、これを登るのはかなりきつい。7:45沢の二俣に道が交わる。来る時は、ここで道を間違えて、真っ直ぐ沢沿いに進んでしまったようだ。ここからは沢沿いに下り、大滝・スラブ滝を右岸より大きく巻き下る。沢に戻ると再び虻に攻められる。沢を離れるところで、十分水浴びし3日間の汗と汚れを洗い流す。9:50車に戻る。お疲れ様!!今日も暑い。車で鹿瀬温泉へ向かい・・・・・  「MSCっていつもこんな事やってんの?」重川さん、誤解しないで下さい。こんな様なことはやりますが、いつもこんな酷い目に遭ってる訳では有りません。これに懲りずに、また御一緒下さい。今度ここへ来るなら秋でしょうね。虻のいない時期に再挑戦しましょう。
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